聖戦へのカウントダウン

「7月に入ったけど夏コミの準備は進んでるよね?」
十中八九、原稿が真っ白であることを知りながら、あえてこんなメールを送ることが最近の生き甲斐になっている。
まさに外道である。
しかし、この遊びは七月の初旬にしかでず、時期を逸するとシャレにならないような修羅場を演じることになるので、旬を逃さぬようにメールや電話に励んでいる。
実際、これは相手のためでもあるのだ。7月の頭から尻を叩いておかないと、ただでさえネトゲネトゲネトゲに忙しい人間が原稿に手をつけるはずがないし、それが久しぶりに現実世界に戻ったらなぜか八月になっていた、なんていうことになると周囲を巻き込んだ悲惨な修羅場が発生する。
なぜ善良な一社会人がお盆の、しかも土曜日の深夜にファミリーマートコピー機を使わねばならないのか? コピーしたエロ原稿に興味津々な店員の目を感じながら、そんな疑問を持ったことがあるのは自分だけでは無いだろう。
コミケの当落は二ヶ月も前に解っていたのにもかかわらず、この阿呆はどうしてここまでなにもせずに、原稿を放りだしていたのか? 徹夜明けのもうろうとした頭で、コミケまでに少し寝ておくといって、蚤やダニと一緒に万年布団に丸まっている奴に殺意を抱きながら、ホッチキスをがちゃがちゃ鳴らしてコピー本をつくるという悲劇的な体験を経た結果、7月に入ったらすぐにコミケという単語を届けることを決意し実行するようになった。
今年の夏コミは17日(金)から19日(土)なので、いますぐ取りかかれば1日1ページのスピードでも、32ページのオフセット本ならお盆前に余裕を持って入稿出来る。子供でも出来る計算だ。にもかかわらず、なぜそこの大人は8月に入ってから表紙だけ入稿とかいうことをするかな?
失礼。私情でお見苦しい文章となってしまった。
とにかく今週から、参議院選挙の候補者なみにコミケコミケと連呼するつもりだ。もし、身近に夏コミの参加者がいるならば、あなたも念のため声を掛けておくことをお勧めする。でないと今年もまた、コンビニで深夜の羞恥プレイを強いられるかもしれませんぜ。