国際化と日本アダルトビデオの苦闘

一昨日のニュース。

アダルトDVDの画像修正が不十分だったとして、警視庁はわいせつ物頒布の疑いでビデオ製作会社数社の強制捜査を始めた。自主審査機関の「ビデ倫」にもほう助容疑で捜索が入った。以下続く、

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0708/23/news061.html

2005年と少し古いblogだが「ビデ倫」に対するこれまでの認識について。

さて、今回は「ビデ倫」と「インディーズ」の違いについて説明してみたいと思います。「ビデ倫」とは「日本ビデオ倫理協会」 のこと。いくつかの大手アダルトメーカーが映倫と手を組んでできた組織で、警察OBが天下りで来ているため、その安全性については保証付きです。つまり店頭で売っても絶対に捕まらないというですね。以下続く、

http://ameblo.jp/adshop/entry-10002157640.html

エントリーのあった2005年頃からAVは価格競争時代に突入し、メーカーはコスト削減のために独自の審査方法をとるなど、メーカー、流通、審査機関を含めた大競争時代が到来した、らしい。
AVは専門でないので他のWEB SITEからの孫引きなのだが、大筋はこんなところかと思う。このあたりの状況に詳しい方がおられたら是非ご教授願いたい。
そういえば、昨日横浜にあるエロマンガに強いアダルトショップで、“中国工場から流出”と題されたパッケージのないエロDVDが3000円ほどで売られていたが、これって計画的にあらかじめ多めにプレスした物を横流ししてるんじゃないか?
ま、それはともかくとしてアダルトビデオ業界は、過去には考えられなかったような過当競争になっているようだ。
そしてカリビアンコムの様な米国基準*1の動画配信サイトはいくつもあり、これらはパクられないための審査を必要とするセルビデオの限界をあっさりと突破している。加えて、米国製の動画配信サイトの質は高く*2、ドルで世界中から女をかき集めているというのは伊達ではない。
この様な厳しい状況下で今回の「ビデ倫」に対する摘発がおこなわれたわけだが、これによって誰が得をするのかいまひとつ理解できない。確かに警察にとってこれ以上「薄消し」などを放置し、なし崩し的な規制の緩和を容認することができなかったという事情もあるだろう。
もしかすると例によってどこかの偉い人が、警察に道徳的な抗議をおこなった結果なのかもしれないが、これによって利益を得る者が警察を含む当事者のうち誰もいないというのが悲劇というか喜劇というかにわかに判断の付きがたいところだ。
昨日書いた、エロ同人についてはあくまで日本国内限定なので、警察やエロ同人業界の損得については有る程度想像がつく。しかし、AVは業界自体が存亡の危機にあり、これをきっかけに体力のある大手は米国に資本を移し、残るのはごく少数の小企業になる可能性も無いわけではないのだ。
ここで、提案なのだが警察は自然に存在する器官を隠すような不自然なことにはかかわらず、未成年者の使用、撮影中に起きた暴行、AV撮影の強要といった警察にしか対応できない事例について専念すべきではないだろうか?

*1:=局部は無修正

*2:有料サイト情報→d:id:byj6:20070731#1185881471