WikiScanner騒動

総務省文科省Wikipediaを編集していた 「WikiScanner」日本語版で判明

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0708/29/news059.html

厚労省Wikipediaでエロゲ「ななついろ★ドロップス」の項目を編集していた事が判明、農水省は「ガンダム」を

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1024442.html

いやいや、楽しませてもらった。
役所や企業にとって自分に都合の悪い記事を、削除、変更するのは業務の一環として理解できなくもないが、みっともないという事実は否定できない。自画自賛についてはやることが子供じみているのでまだ失笑くらいで済むが、それでもいい歳した大人がやることじゃあないな。
建前としては業務以外にはパソコンを使ってはならないが、仕事時間外ならばウェブサイトを巡回するくらいは一向にかまわない。ただし、余所にバレるようなドジだけはするなよ、というのが大方のネットワーク管理者の本音だろう。そのためにファイヤーウォールを構築し、間抜けな奴が怪しいスクリプトを踏めない様に、シマンテックへ高い金を払っているのだから。
ところが馬鹿のしでかす事は、常に想定の斜め右はるか上を軽々とクリアすることを、今回の騒動で身に染みた管理者はかなりの数になると推察する。
昭和の時代からパソコンを使っている人間は、たとえば2ちゃんねるに何か書き込みをしようと思った時、捨てメールアドレスと漏れ串を用意しなければならないと考え、その結果面倒になって書き込みをあきらめるということがよくある。
世のネットワーク管理者は、IPをネットにさらすことの危なさを充分自覚しているので、普通なら仕事場のパソコンから書き込みなどするわけがない、と思いこんでいる人が多いと思う。知識があるがゆえに、かえって思いこみという罠にはまってしまっているのだ。
現在のパソコン利用者の知識レベルは、残念ながら十年前と違ってかなり低くなっている。これは使用者数が増えたことと、パソコンのソフト・ハード両方が進歩したためだ。自動車と同じように、パソコンのブラックボックス化というのは後戻りできないほど進んでしまった。
今回の事件が教訓になって、ネットへの書き込みを禁止するところが増えることだろう。だからといってこれで安心ということは絶対に無い。想定というものは常に創造的な馬鹿によって破られる、という原則を肝にめいじておくことが必要だ。