エロマンガ雑誌の冬

コミックパピポが12月で休刊となった。これまでの度重なる規制強化を生き延びてきた老舗も原油の高騰には勝てなかったというのは皮肉なことだ。いまや世界で一番恐ろしいのは倫理や道徳ではなく経済なのだ。
これまでは一線を画してきた双葉社ワニマガジン社などがうち続く不景気でなりふりかまっていられなくなり、ただでさえパイの小さなエロマンガでも消耗戦を繰り広げるという構図は変わるどころか、ここに来てさらにヤングチャンピオン烈の月刊化によって、年末から年明けにかけて戦いはいよいよ熾烈になる一方だ。
紙や運送費が値上がりに加えて、中堅出版社の本格参戦や成年向けマンガ雑誌の増ページによる作家の奪い合いによる原稿料の高騰によって、エロマンガ雑誌から撤退を余儀なくされる出版社はこれからも出てくるのは必至の情勢だ。
不況には強いとされるエロ関連産業でも、いよいよリストラやギブアップが始まっているという状況は、己の懐の寂しさもあいまってひどく憂鬱な気分にさせる。