鳥の声、蝉の声、虫の声、そして金木犀。

ヒヨドリのけたたましい叫び声で目を覚まし、日中はアブラゼミの声に季節を疑い、日が暮れてからは今夜も盛大なコオロギやスズムシの合唱に季節の移ろいを感じる。そして、時折ヒヤリとした風が吹き込む窓からはほのかな金木犀の香りが運ばれてきた。今夜も冷凍庫からネズの実が薫るジンを取り出して、追憶をさかなに酔いつぶれよう。