エロ漫画雑誌と通販価格

上記の件について投げっぱなしになっていた。
7月3日にMMASさんから

アマゾンのコンビニ売りエロ漫画雑誌の月間売上高は推定値で200万円ほどと思われます
これが高いか低いかは判断できませんが(^-^;;
冊数にて5000冊単価が低いのでお急ぎ宅配便での配送に悲鳴を上げたのかもしれません
580円クラスの本は健在なのエロが原因では無いと思っていました
今回まんがタイムきらら系もアウトと聞いて確信いたしました

http://d.hatena.ne.jp/byj6/20080703/

というコメントをいただいて個人的に納得して終わりにしてしまったのだが昨日、松本ドリル研究所・かずみ義幸さんの日記で同じ様な疑問が出ていてしまったと思った。
で、遅まきながらまとめ的なものを。
通販の場合、経費として一番大きな物は輸送費だ。
そしてその次くらいに在庫管理費が項目として入ってくる。
実際、梱包費はほとんど無視できるレベルでしかない。
重量と容積が小さければ小さいほど通販としては儲かる商品であり、薬・貴金属・時計・PCパーツなどがその代表といえるだろう。
運送費、もっというと宅配業者に支払う金はケースバイケースだが、貨物の取扱量が多い所ほど業者に対して無理をいうことができる。アマゾンは荷物一個当たりの金額をかなり低く叩いているはずだが、日通にとってもアマゾンは上客なので全く損ということはむろん無い。
恐らくだが、時間指定無しの商品については離島を含む全国一律の料金でやっていると思う。
そのため、価格交渉はかなり統計的かつ大規模なデータに基づいておこなわれ、重量・体積・距離という三つの要素の中で、お互いが妥協出来る点を探すというシビアなものになっていることは想像に難く無い。
一方、380円前後の価格であるコンビニ売りエロ漫画雑誌を買う客は、送料が無料になる1500円という金額を基準にして、一回の買い物で最低でも4冊以上を購入していたはずだ。そして中綴じB5版で260ページの冊子を一回で4冊運ぶと採算が取れなくなる、というようなことを日通から訴えられ、また全体の購買傾向からその価格帯の冊子の取り扱いをすべて止めても全体の売り上げには大きく関わらない、と判断した上でアマゾンはコンビニ売りのエロ漫画雑誌及びその同型雑誌の取り扱いのほとんどを停止したと推測される。
ことは内容がどうこうといった甘い話では無いことを理解して貰いたい*1
また、アマゾンの様に一日の受注が百万単位の世界では、一つの注文が占める倉庫の面積の割合というのも重要なファクターになる。
複数の注文を一括で送付する場合、全部の商品が揃うまでとりあえず置いておく場所が必要だが、月末から月初にかけて発売されるエロ漫画雑誌が4冊揃うまで置いておく商品及びデータの場所代だって、積もり積もればどえらい金額になるはずだ。
二つ目の在庫管理費というのはこれを指す。
昔、ファーストリテイリングが野菜の通販を始めたとき、時間指定やクール便などの宅配料金をどうやってまかなうのか興味深く見守っていたことがあるが、案の定すぐに立ちゆかなくなって止めてしまった。
エロ漫画雑誌を含む書籍というのは、保管や輸送についてのコストが野菜ほどにはかからないので通販向きだとは思うが、それでも時間指定配達などがなかなか出来ない。ましてやストックヤードとしての店舗を持たない、通販専門の商売というのはアマゾン以外にまず見られないのは理由がないことではないことが解っていただければ幸いだ。

*1:証明その2。みんな見てね。