エロマンガはコレを読め vol.1

非実在青少年騒動に一区切りがついた。
今回の馬鹿げた騒ぎの中でつくづく感じたのは、世間によるマンガの評判の悪さだった。それは、あたかも昆虫嫌いの人間がモルフォ蝶やコノハムシ、ヘラクレスオオカブトムシなどの奇跡を、十把一絡げに殺虫剤で処分するのと良く似た想像力の欠如のようで、ひどく気味悪いものに見えた。
そして、昆虫嫌いの例えをさらに続けると、そのような人々にとってエロマンガはゴキブリや線虫以下、滅ぼしても関わりないどころか、むしろ積極的に駆逐すべきたぐいのものだろう。ハエやクソムシのいない生態系というのは、確かに理想かも知れないが、次の瞬間、排泄物が散乱する惨憺たる世界になるのは間違い無い。ただ、繰り返すが彼らには想像力が欠如しているので、お題目と手段さえあれば躊躇など絶対にしない。
一方、エロマンガが他のジャンル、少年漫画・スポーツ漫画・格闘漫画など比べて一段低いものと見られている現状は、エロマンガの読み手と描き手にも責任の一端がある。正直、エロマンガはストーリーが単調で、絵に新味が無くなれば用済み、というものが多すぎる。これはマンガで喰っていかねばならない人間にとっても不幸だし、毎回、表紙に裏切られるのを承知でエロマンガを買う読み手にも不幸なことだ。
そして、たぶん新しく都議会が招集される春にも、エロマンガをめぐって絶対に一騒動ある。
そのときには、敵側もマンガ界全体を敵に回した今回の愚は犯さず、個別の作品をあげて分断・各個撃破という戦術を採るのは目に見えている。そうなったとき、これは一つの表現であり、芸術であるといったエロマンガを挙げることによって、反撃を試みることは十分に勝算にかなうはずだ。
また、個々の作品のレベルを上げて、エロマンガというジャンル自体が世間的な価値を獲得することも、目標にしてもいいし、それができると考えるのはエロマンガの過大評価だろうか?
さて、
ジャンル全体のレベルを上げるためには、まずは目標とするものを持たねばならない。
ここで、とりあえず次の三作品をエロマンガトップランナー、現在の日本エロマンガの最先端とする。エロマンガに関わる者として読んでいなければ、恥ずかしいレベルのものだが、まずは初回として取り上げた。
1位.

メイド嫁 (ホットミルクコミックス 296)

メイド嫁 (ホットミルクコミックス 296)

発売されて以降、常に2009年のエロマンガランキングのトップにあった。初単行本として、良いところも悪いところもあるが、とにかくこれを読んでないと話にならない。
2位.
舞FAVORITE (メガストアコミックスシリーズ No. 216)

舞FAVORITE (メガストアコミックスシリーズ No. 216)

如月群真の作風がこれで確立した。絶倫の主人公が乱交を繰り広げるという形は、シンプルであるが、バラエティーにとんだヒロインを描くことができ、これからも著者のパターンとなるだろう。
3.位
チュー学生日記 (セラフィンコミックス)

チュー学生日記 (セラフィンコミックス)

去年に引き続き、今年もエロマンガベストテンに食い込んでくる単行本が、早くも出版された。先物買いだが、内容の充実ぶりからこれを上回るものは、これから期待される藤ますの初単行本などごくわずかだと思っている。

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