エロマンガコレクターの憂鬱

ある強者曰く。

エロマンガは実用のためにある。
抜けないマンガはたとえ成年向けのマークがついていても、エロマンガではないので買う必要無し。
同様に使えなくなった本は即刻、BOOK-OFFに売り払え。

漢とはかくありたいものである。
と、本棚からはみ出たエロマンガ雑誌や単行本が、蟻塚のようにうず高く積まれている部屋をみるたびに思う。
村田蓮爾が表紙を描いていたころの快楽天など、実用に使うことはあり得ないし、収録作品のうち欲しい物のほとんどはすでに単行本になっていて、幾多の蟻塚のどこかに埋もれているはずなのだ。
にもかかわらず捨てられないのは、生まれついたコレクターという業のなせるわざに他ならない。
エロマンガ作家の単行本が実用になるのは大抵、二冊目か三冊目くらいからで、実用の面からすると初単行本というのはあまりお勧めできない。たとえばチェリー・ボム (真激COMICS)Swing Out Sisters (TENMA COMICS)は良い物だが、それ以前の作品となると疑問符がつく。
これらは経験上よくわかっていることなのだが、にもかかわらずある作家の単行本を一冊手に入れると、その作家のすべての単行本や同人誌、あまつさえその作家の応援ページが入った他の著者の単行本まで集め出してしまうのは、もう病気としかいいようがない。
その結果、部屋はどんどん狭くなり、他人どころか身内にすら見せられないような状態になっているという現状。
ときおり想像するのは、もし自分がなにかの犯罪で捕まって、ワイドショーのカメラが部屋を写したらどうなるか? 考えるだけで大声を上げながら通りを駆けずり回りたくなる(いや、別に自分から捕まりたくてやるわけではなく、やったことはないが羞恥プレイは趣味とは違う、と思いたい)。
ところで自分が死んだときに、いち早く部屋に駆けつけてコレクションを回収し価値に応じて費用と葬式代にあて、さらにハードディスクを物理的に破壊することまでやってもらえる。こんなサービスを提供してくれる会社がどこかにないだろうか?