マップス・ネクストシート

マップス ネクストシート 1巻 Flex Comix

マップス ネクストシート 1巻 Flex Comix

数年ぶりにスペースオペラを読んだ。
いやあなんとも懐かしい。
無印のマップスが終了してから、少々低迷して一時は同人でエロマンガを描いてみたりと試行錯誤を続けていたが、やはり原点回帰というのがこの人の場合一番正しい方法だろう。
俗にマンガの世界では一つヒット作が出たら大作家、二つ以上なら天才作家といわれるくらいに、なかなか思うように売れる作品を描ける人は少ない。
これはどんなジャンルでもそうなのだが、ジャンル創生期にある特定の人間が後に続くほとんどの可能性を作品にしてしまい、それ以降に続く者には模倣とパロディーそしてアレンジにしか生きる道が残されない。ロックでいうならビートルズ、マンガでいうなら手塚治虫の例が挙げられる*1
少々脱線してしまったが、この人の場合、失礼ながら登場*2からすぐに絵が古くなってそこから進化が止まったように見えた。が、この場合“進化”という言葉自体が一つの先入観を与えてしまっている。これは“進化”を“適応”という言葉に置き換えるとよくわかる。彼はスペースオペラという自分が生きるのに最適な場所をすぐに見つけたので、それ以降はその場所で作品を描き続ければよくなったのだ*3
新しいマップスの航海もまた十数年をかけた長い長いものとなるだろう。終結までには様々な困難があるかもしれないが、期待をこめて読んでゆきたい。
Bon voyage!

*1:もっとも、技術の進歩によって単なるアレンジと見えたものが、新たなジャンルを産む場合も多々あるのが面白いところだ

*2:“魔夏の戦士”という短編だったか?

*3:ここらへんは聖悠紀と良く似ている。例えればマップス超人ロックは、レンズマン銀河帝国興亡史の様な関係にある様に思えるがいかがだろう?