開眼!

「“萌え”とは“劣情をもよおす”ということだ」
お金で買えるものと、お金で買えないもの(熱暑、疲労、筋肉痛など)を抱えた帰りのJR内で突如、あたかも雷光が脳を貫くがごとく悟りを開いた。
この新境地を誰かに伝えようと周りを見ると、自分を中心になぜか微妙な空白地域ができていた。どうやら、知らないうちに声に出してしまったらしい。おかげで“悟る”と“キレる”が同じ意味であることも学ぶことができた。
萌える=勃起する、ならばさらに問題は楽になるのだが、はるか前世紀のローティーン時代ならまだしも、いい加減に疲れ切った社会人には精神的・肉体的に無理な要求だ。ゆえにその前段階として“劣情をもよおす”=“萌え”ということでいいんじゃないかという結論に達したのだがどうだろう皆の衆。
例えば、目の前にチューブトップのナイスバディなお姉ちゃんがいて、「あ、乳揉みたい」と思うのだがそこから先の行動(揉んでしまう=痴漢、「ねえ、ヒマしてる」と声をかける=ナンパ)に進まず、勃たせもしない。これこそが“萌え”の神髄と見た。ムッツリスケベとどう違うかといえば、どこも違わねえと答えるのみだ。
下品で、素面では口に出せないようなことがらを、商売上の必要にかられて“宣伝”しなければならないという、実にシビアな状況によって“萌え”という言葉ができたと察するのだが、それが一人歩きして中途半端に使われるようになった結果、現在のような混乱に至っているのだろう。
しかし、今日ここにいたってようやく個人的な混乱状態から脱することができ少し感動している。そして、これからは“萌え”という言葉は“スケベ”と、翻訳することで安心してエロサイトを見たり、エロマンガを読んだりすることができるだろう。