「払暁」

空が白み始めたころ喉の渇きで目が覚める。
流し台の電灯を点けると奴がいた。
前回、夜戦での失敗を戦訓として武器を台所に置いておいたのが功を奏し、奴を隙間に逃げ込ませることなく取り押さえ、電撃。電気特有の丸く青い火花と共に、奴の活動を停止させた。
トイレットペーパーでつまみあげると、驚くことにまだ生きているようだった。
背中の部分に電撃の走った後の黒い筋があったが、焦げるくらいの電気を浴びても死なない奴の生命力に、改めてこれからの戦いの厳しさを感じる。
奴と一緒にトイレットペーパーを便器に投げ込み、ついでに小便をして水洗。液体石鹸で丁寧に手を洗いながら、会心の笑みを浮かべた。